【インタビューVol.5】伊東鮭さん、あなたの書く理由を教えてください。
こんばんは、紬です。
今回も書き手さんのインタビューをお届けします。
いよいよ五人目!
ふとした思いつきで始まったにもかかわらず、みなさん丁寧に答えていただいているのですが、今回はそのなかでも読み応えたっぷり、とてもボリュームのある内容になっております。
第5弾、伊東鮭さん。
Twitterで小説を発表されています。
140字という短い文字数であざやかな起承転結を描く、ストーリーテラーだ! と私が(一方的に)あこがれている方です。あと、ヘッダーの猫さんがとてもかわいい……!笑
また、伊東さんのご提案で「創作自体を始めたきっかけ」という質問を増やしてみました。
ひとりでやっているので、こういうご提案、とてもありがたいです。
今回もぶしつけなお願いにも関わらず、丁寧にインタビューに答えてくださいました。
どうぞお読みください。
*インターネットで創作を始めたきっかけはなんですか?
手っ取り早く場数が踏めるのがSNSで、かつTwitterに関しては学生時代から利用させていただいていたので、「いいね、リツイート」などの数字上の反響が見やすかったというだけですかね。インスタは実は馴染みがなくて、なにがなにやら。
小説サイトも同様です。なにより「書くだけ」で満足せずに、すぐに数字を振り返り、反省して翌日に活かす。それが身近にできるのがTwitterでした。
*創作自体を始めたきっかけはなんですか?
小さい頃から物語を想像したりつまらない嘘をつくのが好きでした。
大人になってどんな仕事をしようかと思った時に、やっぱり僕は嘘をついて生きていたいなって思いました。
〝先生〟と呼ばれる仕事の中で、嘘をついて褒められるのは作家だけですからね笑
それってカッコいいなぁって思いました。
*創作するうえで心がけていることはなんですか?
‐140文字という短さで鮮やかなオチをつける伊東さんの文章力に憧れています。なにか意識していることがあれば教えてほしいです(紬)
そこまで強いこだわりはありませんが、強いて言えば三点。
1.難しい言葉や漢字は使わない。
2.比喩表現は〝本当に必要〟な時だけ。
3.〝どう思ったのか〟ではなく〝なにが起こったのか〟を書く。
ですかね。
*どんなときに「楽しい」「書いてて良かった」または「つらい」「もう書くのやめたい」と思いますか?
やはり褒められた時です!!笑
なぜか僕は落ち着いていて静かな人だと思われることがあるのですが、ものすごくおしゃべりですし、ものすごく落ち着きのない人間です。
なのでリプライなどをいただけた時は、素直に「すげぇ嬉しいなんだこの人好き!!」
って思います。
*書くのをやめたくなったことがある場合、どんなふうに気持ちを立て直しますか?
書くのをやめようと思ったことはありませんね。めんどくさいとは割と常に思っています。
書き始めるまでに腰が重いこともしばしばあります。でもやめたい、つらい、と思ったことは一度もありません。
*ずばり、この一作には自信がある/我ながら好きという自作を教えてください。
自信作という意味では、どれも自信があるようでない。僕は面白いと胸を張れるけど他の人が面白いと思うかどうかは分からない。
という感じなのですが、好き嫌いで言うとやはり一番初めに投稿した作品です。
彼は飼っている猫とよく話をしている。
— 伊東 鮭(Ito Kei) (@K_Ito358) 2019年4月25日
「君はいつもそうやってダラダラしてるね」
「他にやることがないからね」
「そんなことはないだろう。散歩するだけでも気持ちがいいよ」
「体力を無駄に消費するなんて生物としてどうかしてるよ」
「へんな人だね」
彼の猫はせっかちで働き者らしい。#twnovel
個人的に大好きな作品である伊藤計劃氏の『ハーモニー』(小説も映画も好きです)に僕はかなり漠然とした憧れのようなものがあるのですが、その中で、メインキャラクターがこんな台詞を言っています。
「私はね、永遠だと人々が思っているものに不意打ちを与えたい。止まってしまった時間に一撃を喰らわせたい」という台詞です。
もちろんこれは特殊な世界に生きるキャラクターの心情であり台詞なのですが、我々が生きる現実世界にも同じように「永遠だと人々が思っているもの」ってありますよね?
僕はそれを常に疑問視して生きてきました。
そのため僕自身も初めからこのような(今のような)作風になったとも言えます。その初めの一歩がこの作品だったわけです。なので一際思い入れは深いと思います。
*最近のおすすめ作品を教えてください(小説から映画まで、なんでもOK)
Netflix限定の作品なのですが、『ブラックミラー』はものすごくおもしろいですね。
とにかく皮肉でとにかく鋭い。一つの作品は短めなので、よかったら是非見てみてください。
<ご回答、ありがとうございました!>
*僭越ながらの紬メモ
・「すぐに数字を振り返ることができる」ことからTwitterを選ばれたんですね。わたしも似たようなことを考えていたので、ちょっと嬉しくなりました。
・「嘘をついて生きていく」、とても惹かれる言葉ですね、このままキャッチコピーになりそう。
・「なにが起こったかを書く」、なんだかとても印象に残りました。
・褒められた時、うれしいですよねえ……! わたしも伊東さんはクールな方なのかなと思っていたので、良い意味で意外でした。
・わたしも、実はだいたい書くときはめんどくさいです(告白)。
・伊藤計劃氏の『ハーモニー』はわたしも大好きな作品なので、このご回答はとくに読み込んでしまいました。疑問視するところからなにかが始まる、ということはあるのかもしれない……。
・『ブラックミラー』、評判いいですよね!見るリストに早速追加しました。