【インタビューVol.3】掃き溜めに鶴さん、あなたの書く理由を教えてください。
こんばんは、紬です。
今回も書き手さんのインタビューをお届けします。
ふとした思いつきで始まったにもかかわらず、みなさん丁寧に答えていただけて日々感激しております。
あらためて、ありがとうございます。
第三弾は、掃き溜めに鶴さん。
Twitterで小説を発表されています。
テンポのよい文体と、示唆に富んだ奥行きのある物語がとても好きな書き手さんです。
今回もぶしつけなお願いにも関わらず、丁寧にインタビューに答えてくださいました。
どうぞお読みください。
*創作を始めたきっかけはなんですか?
私の場合は、#140字小説 のタグを発見したことがきっかけです。
もともと創作が好きだったのですが、誰かに見せる勇気も、長い話を書き上げる計画性もなく、ずっとしまいこんでいたんです。でも、このタグでは本当に沢山の方々が楽しそうに創作していて、その魅力が恐怖心に勝ったんです。
Twitterは字数が少ないため自信がなくても書きやすかったこと、創作初心者だというツイートを何度も見かけたこと、創作サイトに登録するよりも敷居が低く感じたことも、Twitterで創作を始めた理由の一つかもしれません。
*創作するうえで心がけていることはなんですか?
‐わたしは掃き溜めに鶴さんの物語のテンポの良さが特に好きなのですが、なにか意識していることがあれば教えてほしいです(紬)
わぁ!ありがとうございます!
心がけていると言えるほどの事ではないのですが、一部分だけでもいいので、自分が好きだと思えるようなものを書くようにしています。それができれば、稚拙でもまぁいいかな、と思っています。
物語のテンポは……まずは好きなように書いてから、目立たせたいところを決めて、他を削るようにしています。でも、思い入れがあるので迷ってしまって……特に140字SSは削る字数が多くなりがちなので、そういった時は書けなかった部分を別の話として独立させる事も多いです。セルフリサイクル。
*どんなときに「楽しい」「書いてて良かった」または「つらい」「もう書くのやめたい」と思いますか?
やっぱり、感想やイイネをもらえた時はすごく嬉しいです。反応が全てではないけれど、励みになりますし、前向きになれる気がします。
あと、自分が書きたいことを書き切れたときは達成感があって「よっしゃー!」と心の中で叫びます。すごくスッキリするんですよ。
逆に、思うように書けないときは辛いですね。ど忘れした名前を思い出そうとしている時のように、もやもやとした気持ち悪さがあるんです。
あと、時間をかけたのに全く進まない(書けない)ときは、ちょっと書くのが嫌になります。この時間があれば何ができただろう、とか考えだすと……。
*書くのをやめたくなったことがある場合、どんなふうに気持ちを立て直しますか?
書きまくります。完成度は気にせず、一所懸命に書くことを第一目標にして、とにかく書いて書いて書きまくり、嫌な気持ちを薄めます。
それでも駄目なら文字から離れます。テレビを見たり音楽を聞いたり、ゲームをしたり。そうして浮かんできた言葉をメモします。それを続けているうちに、気付けばまた書きたくなっていることが多いです。
私の場合は、あまり上を見ずに等身大で書くことを心がけると、気持ちを立て直しやすくなる気がします。
*ずばり、この一作には自信がある/我ながら好きという自作を教えてください。
自分で選ぶとなると悩みますね。いいねの数が多かった140字SSは、このお話でした。
三十年ぶりに雨が止んだ。止まない雨はないという言葉は嘘ではなかったのだ。僕は湖と化した故郷に舟を浮かべて漕ぎ出した。「雨、止んだよ」僕は、できるだけ明るい声で言った。それでも水は消えないし、誰も帰ってこない。ひとりぼっちだ。水中を覗くと、通学路を魚がゆらりと泳いでいくのが見えた。
— 掃き溜めに鶴 (@hakidamenoturu) 2020年6月19日
*最近のおすすめ作品を教えてください(小説から映画まで、なんでもOK)
私、本当にこういうのが苦手で。勉強不足で申し訳ないです……。
最近はNHKのドキュメント72時間をよく見ています。番組自体は30分くらいの短いものなのですが、内容が濃くて、見入ってしまう事も多いんですよ。なんというか、街ですれ違う人ひとりひとりに悩みや苦しみがあり、人生があるんだと、しみじみ思う番組です。当然といえば当然のことなんですけどね。
質問とズレた回答になっていたら、すみません。
<ご回答、ありがとうございました!>
*紬メモ
・「Twitterで創作している方たちは楽しそうだし敷居が低そう」というのもすごくわかります。このインタビューを始めたきっかけに「数あるツールの中でTwitterを選んだのはなぜなんだろう?」みたいなのもあったので、とても勉強になりました。
・「一部分だけでもいいので、自分が好きだと思えるようなものを書く」に共感してしまいました。好きなことを続けていくにはとても大切なことなんじゃないかなとわたしは勝手に思っています。
・書くのをやめたくなったときに「書きまくる」というのはとても見習いたいです……。わたしは逃避しがちなので。笑
・ご紹介いただいた自作、わたしも好きすぎて瞬間的にRTした作品だったのでとても嬉しかったです。初めて読んだとき、すっと情景が目に浮かんできたんです。
・おすすめ作品、苦手な質問にまで答えていただいてありがとうございます!
いろんなジャンルの作品を知りたかったので、とてもうれしいです。ドキュメントだからこそしみじみ実感できることってありますよね。